セブン『金のボロネーゼ』が週末に買われるのはお肉感と香ばしさから

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ベルが鳴ったら犬はよだれを垂らし、「金の」と言われたら私たちは「おいしいやつ」と脳に浮かびます。

そんなセブン-イレブンの「金の」と銘打った食品シリーズですが、冷凍食品にも『金のボロネーゼ』というパスタがあります。でも「金の」のおいしさの正体って、ぼんやりしてませんか? なにがおいしいんでしょうか? 話を聞きました。

そもそもおいしいシリーズでも話を聞くとよりおいしい。つくった話をききながら食べるというぜいたく体験を「金の」でしてきました。


聞いた人:大北栄人 撮った人:リー正敏
答えてくれた人:セブン-イレブンの 冷凍食品担当の川戸彩さん


セブン-イレブンの冷凍食品担当の川戸彩 セブン-イレブンの冷凍食品担当の川戸彩さんにお話を聞きました

「日常のご褒美」を支える金のボロネーゼのこだわり

前回のセブン-イレブン『七宝麻辣湯』ではなぜセブン-イレブンの食品が強い(おいしい)のかその理由を考えてもらったり、冷凍食品の良いところとはなにかを聞きました。 https://29tta.net/posts/001mara7/

セブンプレミアムゴールド 金のもっちり生パスタ ボロネーゼのパッケージ

── 
ボロネーゼはひき肉のパスタですよね。『金のハンバーグ』の「金の」ですか?
川戸:
ボロネーゼも同じゴールドシリーズになります。『セブンプレミアムゴールド』はセブンプレミアムのランクが1つ上の商品で、「ご褒美を日常に」というコンセプトです。
あくまでも日常の中の「ご褒美」を想定して位置付けられており、原材料や製法、すべてにこだわりのある商品シリーズですね。
── 
なるほど……私たちの持ってるイメージはあんまり間違いではなかった。
川戸:
伝わっていてよかったです(笑)。
── 
そうすると、食材もいいものを使っているということですかね?
川戸:
食材もそうですし。作り方も含めて品質にとことんこだわっている商品ですね。
── 
これもどこかのメーカーさんと作ってるんですか?
川戸:
こちらはセブン-イレブンの商品をメインに作っていただいているフジフーズ(株)様の工場で作っています。フジフーズ様は長くお付き合い※があって、冷凍ではないパスタやおにぎり、あと実は菓子パン、惣菜パンなどのフレッシュフードも作っていただいています。

※フジフーズ(株)のHPを見ると「セブン-イレブンが12店舗の頃より取引を開始し」とあり、それは1974年セブン-イレブン創業年からのよう。裏面に「フジフーズ」の文字を見たら「創業年からのパートナーだ」と思えますな。
金のボロネーゼは長年のパートナーによる信頼の味
── 
ボロネーゼは新商品ですか?
川戸:
2022年に誕生した商品です。それまで冷凍食品においてはミートソースパスタがありましたが、「より専門店で出されているようなメニューを」ということで、ボロネーゼが生まれました。

ボロネーゼのもつ「わかりやすさ」

── 
前回聞きましたが川戸さんはまだ冷凍食品にいない頃ですね。なぜボロネーゼが「金の」シリーズになったんですかね?
川戸:
冷凍食品のパスタにおいての『セブンプレミアムゴールド』は2022年にこのボロネーゼと蟹トマトクリームパスタの2品でスタートしました。お肉としての代表的パスタとしてボロネーゼ、海鮮として蟹トマトクリーム、どちらも専門店においての定番商品で、わかりやすさを考慮してこの2品になりました。
ジャンルにおける代表商品が金化する
── 
わかりやすさ! そうか。食品にも「わかりやすさ」って指標があるんですね…おもしろいなあ。パスタの代表選手でいえばペペロンチーノとか? と思いますが、それとも違うんですよね。
川戸:
ペペロンチーノやミートソースは価格に値ごろ感のあるラインナップで、別のシリーズになるんです。
── 
それで2022年からずっとある商品が『金のボロネーゼ』なんですね。
川戸:
2022年から毎年リニューアルは行なっていまして、直近は昨年の12月にそれまで乾麺だったのが今回生パスタになりました。

温められた金のボロネーゼを開封する様子

私たちの声はどう味に変わるのか?

── 
生パスタってよく聞くんですが、やっぱりいいんですかね…
川戸:
やはり食感が全然違いますね。
── 
やっぱり…よく聞くなとは思ってました(笑)
川戸:
特に女性の方が好まれるというデータもございまして。セブン-イレブンに限らず、冷凍食品自体が女性のお客様に多く買っていただいている商品です。今までも買っていただいている女性に特化したような面もあるかと思います。
冷凍食品自体、買うのは女性が多い(なので商品自体そこを意識していることもある)
── 
あ~「女性が冷凍食品をよく買う」「生パスタは女性の支持率が高い」この2つのデータから。データってどういう感じで使われるんですか?
川戸:
どういうお客様が買っているのかといったデータは出せるので、そこからさらにターゲットを絞ってアンケートでご意見をいただいたりしておいしさを高めていきますね。
── 
それはおいしさ、強さの理由でもありそうですよね。リニューアルってどの辺りを考慮するんですか?
川戸:
お客様の声を重要視しており、アンケートやインタビューのような形をとることは多いです。良い商品、正しい商品ができているかなという日々の確認の中で、改善点が見つかったりもします。
"リニューアル"とよく聞くけどアンケートから消費者の意見が反映されるそう。データが多いコンビニは強い…!

レンジアップ直後の2層のソースが美しい金のボロネーゼ

ソースが2層になっている理由

── 
試食させてもらうということで今、レンジで温めてもらったんですけど、このまま食べてよさそうなトレーですよね。
川戸:
そのまま食べる方が多いと思いますね。コンビニのパスタはトレー容器が多く、そのまま食べられる、すぐに食べられるというのは良い点ですよね。
── 
美味しそう、いや、これは美味しそうですね。専門店に出てくるような、というのもわかります。その雰囲気ありますね。494円ですか※。お店と同じようなものがそれで食べられるならいいですね。生パスタだし。ソースも変わったんでしたっけ? ※HPには地域・店舗により異なる場合あると
川戸:
ソースが2層になっているのがこだわりです。ゴールドシリーズは専門家にアドバイスをいただいています。
── 
ソースが2層? え、そうなんですか?
川戸:
焦げ茶色のボロネーズソースとホワイトソース、ソースを2層にすることで、お客さまご自身でこう混ぜていただいて完成する商品です。

ボロネーズソースとホワイトソースが重なるアップ

── 
2層を混ぜるといいことあるんですか?
川戸:
よく言われますが、「不均一なおいしさ」というのがございます。どこを食べても一緒というより、ソースの不均一さがおいしさになっています。
── 
ああ、なるほど! ありますよね、私、子どもの頃にカレーを全部混ぜきってから食べてたのに、次第に混ぜなくなってました。ビリヤニとかもそうですけど、「不均一なおいしさ」って考えがあるんですね。
ソースが二種類あることは「不均一なおいしさ」
川戸:
そうです。お客様自身で混ぜていただいてできあがる美味しさも1つのポイントになっているんです。この2層のソースのバランスが開発当時もすごく難しかったです。

フォークで生パスタを持ち上げる様子

── 
うわ~、地道な戦いでしょうね。バランスか。ということはみなさん混ぜきらずに食べるんですかね。
川戸:
実際お客さんはそこまで完全に混ぜきるわけではないと思いますね。

生パスタおもしろいぞ…!!

── 
混ぜはほとほどにしていただいたんですが麺、生パスタ。これですね(笑)これはたしかに生パスタだ。ははは、なんか、すごい、楽しさみたいなものがありますね。
川戸:
弾力が強めに感じられる麺になっています。
── 
ですね、私の頭の中は今、料理マンガの味の描写みたいなのが浮かんでるんですけど。食材が運動会とかするようなあれです、すいません、忘れてください(笑)。食感が、なるほど。
川戸:
本場のイタリアの生パスタは食感がかなり残ります。今回は麺を作られているメーカー様に「セブンプレミアムゴールド 金の生パスタ」専用に製造いただいております。ソース作りは先ほどのフジフーズ(株)様にご協力いただいています。
生パスタ、食感がはっきり違う。それはこれ専用に作られたもの
── 
生パスタだけのために一社ガツーンと入ってるんですね、頼もしい。生パスタならではの弾力性がこれかあ。
川戸:
以前の乾麺の時よりも少し麺も太くなっていて、食べごたえや噛みごたえも上がってると思いますね。
── 
いやもう……ボインボインとちょっとしたアトラクションのような(笑)
川戸:
跳ね返ってくると言ってもいい感じがあるかなと思います。
── 
跳ね返ってくる!(笑) 存在感あっておもしろいですね。「あれボインボインしてうまかったな、またあれ食べようかな」って気になります。絶対手作りできないし。

なぜ私たちは肉に存在感を求めるのか

── 
あっ、お肉、牛肉噛みしめる感じあります、牛を食ってるぞ、みたいな。おいしいですね…。「金の」…たしかに金ですね、これは(笑)。

ボロネーゼを噛みしめる大北

川戸:
ありがとうございます。ひき肉も量をかなり入れておりますので、お肉のゴロゴロ感も1つの特徴になってますね。
── 
ゴロゴロ感。なるほど。冷蔵コーナーにある『金のハンバーグ』とかもひき肉ですけどこのお肉は関係あるんですか。
川戸:
直接関係はないですが、ハンバーグを崩して食べるかのような、お肉の食べごたえがあるようにという意識はしていました。

ゴロゴロとしたひき肉が確認できるトッピング部

── 
ハンバーグをくずして、なるほど。ソースが本格的だしそんな感じもありますね。意識するとさらにおもしろいな。
川戸:
去年まではソースの中にひき肉が入っていましたが、昨年の8月のリニューアルで麺の上に大きさの変えたひき肉をトッピングをさせていただいて、さらにその上からひき肉入りのソースを載せています。お肉のさまざまな食感が楽しめます。
── 
いろんなパターンのひき肉が。いろんな大きさでやってくるんですね。へえ。
川戸:
大きさだけでなく、煮込んでいるお肉とそのままトッピングしてるお肉の食感の違いもありますし。大きさも相まってゴロゴロ感などさまざまな食感をより出せるようになりました。
『金のボロネーゼ』の肉は量も多く、種類も状態も変えて意識させてくる。これがゴロゴロ感となる。
── 
あー、長く煮たものもあれば、違うものも。ここでも不均一なおいしさが。このお肉食べてるな〜というゴロゴロ感がないとやっぱりつまんないわけですかね。
川戸:
通常のパスタより少し高いラインナップになりますんで、お客様にしっかり価値を感じていただく必要があると考えています。
ソースのおいしさとお肉のゴロゴロ感は、価値を感じていただきやすいポイントだと思いますので、そこは今までのものを維持しつつ食感の違いによるアクセントを出しました。

深いコクを感じさせる濃厚なボロネーゼソースの寄り

冷凍なのに焼きが重要要素

── 
なるほど、価値を感じてもらう、それはどこで? っていうのを考えるわけですね。すると攻めどころはソースとお肉だと。ソースの味を変えていくというのはどんな作業なんですかね?
川戸:
さまざまな食材を入れて、配合など細かい部分を調整します。例えば、1食食べるとなるとこれだとちょっと脂っこいのではないか、逆にあっさりしすぎているのではないかなど細かく調整をしていきます。
その辺りはメーカー様が長年培っていただいてる知見があり、おいしさは出せてると思います。
── 
……なんか気づいたんですけど、これ、すごく香ばしいですね。焦げがつきはじめたぐらいのおいしそうな匂いがありますよね。レンジでチンしたものなのに不思議です。
川戸:
お肉のところですよね!
── 
あ、そう、そうですよ! お肉のところだ。
川戸:
実はお肉も焼成しているのですが、今回、ソースとは別にトッピングしている挽肉については二度の焼成をすることで、より香ばしさを感じられるようになっています。
── 
あたった(笑)!
川戸:
…よく気づいていただいてありがたいと思いました(笑)。お肉の香ばしさで満足感が高められるように。ここもリニューアルにおける重要なポイントでした。
お肉の香ばしさを出すために、 別トッピングのお肉は2度焼きしている

笑顔で開発のこだわりを語る川戸さん

── 
すごっ、わざわざ二度目の別焼きが! それできっちり「おいしい!」と思ってるんだから作戦も当たってますねえ。香ばしさ、メイラード反応ってやつですよね。
川戸:
先にお肉に焼成をかけていて、ソースはまた別で焼成が入ります。最後は容器に麺が入って、お肉がトッピングされて、ソースが充填されて、凍っていく。そういう流れで作られています。
金のボロネーゼは焼きの香ばしさが隠れたポイント
── 
焼いて、焼いて凍って…めっちゃダイナミックな人生を経てるボロネーゼですね。でも凍ってるのに香ばしさがよく持ちますね。
川戸:
香りが飛ばないことは冷凍食品の特徴の一つです。レンジアップすることで、お客様が食べる時に出来たてかのような状態が再現されます。

さらに濃厚さを伝えるソースのクローズアップ

── 
へえ、作ったときの匂いまで再現できるんですか。
川戸:
私も冷食を担当してから勉強ましたが、冷凍食品の強みであり美味しさを出せる点として「香り」があります。
冷凍食品は香りに強みがある
── 
冷蔵にもボロネーゼみたいなものがあるんですかね?
川戸:
同じくボロネーゼのパスタを冷蔵でフジフーズ(株)様が製造されています。冷蔵コーナーに並んでいるお弁当やパスタはセブン-イレブンでは男性がお求めになる比率が高いです。誰に向けて作るという違いはあったりしますね。
── 
そっか、そうすると味も変わってきそうですね。冷凍食品は女性。
川戸:
そこを男性の方にも多く買っていただけるようにしていきたいなと試行錯誤していますが、まだ女性の購入比率は高いですね。
冷凍は女性、冷蔵は男性が支持だそう

うまそうに食べるインタビュアーの大北

── 
乾麺だったものが生パスタになるというのは大きなリニューアルですよね。生パスタは冷凍食品だからできることなんですか?
川戸:
冷蔵商品にも生パスタはありますが、それとは麺の種類自体違いますし、作り方や麺の仕入れ方も違うんです。
昨年は8月にも『セブンプレミアムゴールド』15周年のリニューアルがあり、1年間で2回リニューアルしました。

どんな定番商品でも年一回はリニューアル

── 
あ、これ一年に2回リニューアルされたんですか!
川戸:
パスタにおいては冬に販売が伸びる傾向があります。そこでリッチ感を出せないかと生パスタにチャレンジしました。昨年8月にソースを、12月に麵をリニューアルしています。

真上から撮影した金のボロネーゼ全体図

── 
ソースが8月、麺が12月、そんなちょこちょこ変わってるんですね!? あれ? こういったものって定番商品でも味が変わっていくんですか?
川戸:
定番商品は、基本的には年に1回はリニューアルしています。わかりやすいところでいくと、夏のざるそばなども。
── 
前回、セブン-イレブンおいしいのはほぼ専用工場多いから説を教えてもらいましたが、リニューアルが定番でもされてるから説もありそうですね。ということは一年くらい食べてなかったら味が変わってるってことですか?
川戸:
多分、気づかないぐらいが良いのだと思います。ずっとそのままだと売れなくなっていく可能性もありますので。ご支持いただいている良い部分は残したままより美味しくしていくことを目指して、気づかれないくらいのリニューアルでおいしさを追求していますね。
コンビニの定番商品は気づかれないくらいの さじ加減で年一回リニューアルをしている
── 
うわー、知らない世界がありますね。気づかれないくらいでちょっとずつ変わってるんだ。季節で食材も微妙に変化するでしょうし、味をキープしていくの大変な世界ですね…。
そもそも「味を決める」ということ自体そもそもやったことがない作業で、どこにも正解がなくないですか?

真剣な表情を見せる川戸さん

川戸:
例えば味の面や、具材の食感など、メーカー様との商談で出た意見をもとに再度ご提案をいただきます。これならいけるとなったうえで、社内の会議にかけて最終のOKをもらうような形ですね。
── 
川戸さんはこのボロネーゼができた時にどんな感触だったんですか。
川戸:
ゴールドシリーズは元々完成度が高くて美味しくなっているものですので、リニューアルするのが難しいです。でも今回はやはり、先ほど気づいていただいたお肉の香ばしさや、赤ワインの風味も上がってます。その辺りは最後までこだわって議論したポイントではありましたね。

赤ワインのコクを感じさせる焦げ茶色のソース

── 
ソースが濃くて深い色してておいしそうな説得力ありますよね。この専門店みたいな印象は赤ワインから感じてるのかもしれないですね。実際、反応はよかったですか?
川戸:
そうですね。SNSやアンケートで見る限りは、伝えたかったお肉のゴロゴロ感のおいしさを始めとして、リニューアルポイントがすごく伝わっていると感じます。
── 
あ~わかってくれるものなんですね。これはどういう時に食べられるイメージなんですかね?
川戸:
ゴールドシリーズの冷凍食品自体が金・土曜日に買われる傾向があります。ゴールドのコンセプトが「日常のご褒美」ですので週末、1週間仕事を頑張って疲れたなという時に、レンジだけで簡単に専門店のようなおいしいパスタがご自宅で食べられる。1週間頑張った自分にご褒美のようなシチュエーションですかね。
週末のセルフ甘やかしとして 金の冷凍食品という手がある
── 
実際、金土売れてるんですもんね。それ聞くと「今日週末だから金の冷凍食品いったろかな~」と選択肢に入ってきそうです。
川戸:
ゴールドは特にそんなご褒美要素があると思っています。

お話を聞いた後

同行したカメラマンのリーくんも実食

撮影してくれたリーくんも「横で話聞いたあとに食べたら…すごい!言ってることわかります!」と喜んでくれました。そうです。おいしさってコミュニケーションですね。

セブン-イレブンって改めてめちゃくちゃありますよね。どこの街に行ってもある。「セブンプレミアムって書いてるしな」「金の、って書いてるしな」とぼんやりと「おいしい」と感じてたものを具体的に一つ一つ説明してもらうという贅沢な体験。

これで推せますね、みなさん。これで推せるじゃないですか。誰かの家に持っていって「いや、これ実は…」と語ることも可能じゃないですか。お話がごはんをおいしくしますよ。

推せるものがどの街にもあるってめっちゃいいじゃないですか。外に情報を出すのって出す方が大変ですから、改めて感謝しつつセブンの冷凍推していきます!


取材協力:株式会社セブン‐イレブン・ジャパン

金のボロネーゼ生パスタの商品ページ